本学循環器内科、消化器内科、東北大学の研究が、New England Journal of Medicineに掲載されました!!
2023.10.20論文・業績
50名の貧血を伴う重症大動脈弁狭窄症患者さんの94%に消化管の血管異形成があり、カテーテルによる大動脈弁置換(TAVR)で軽快することがわかりました。
消化管出血を合併した大動脈弁狭窄症は“ハイド症候群”と呼ばれており、その消化管出血の原因の1つに「消化管粘膜に発生する出血しやすい異常血管(消化管血管異形成)の出現」が挙げられているが、世界的にも研究が進んでおらず実態が不明でした。
今回、大動脈弁のカテーテル治療が予定されている、貧血のある重症大動脈弁狭窄症の患者50名に内視鏡検査を行い、臨床経過とともに解析した結果、
- 多数の血管異形成が消化管に存在すること
- 患者の10%で出血があること
- 心臓を治療すると消化管の出血が改善すること
の3点が明らかとなり、循環器疾患の治療と消化管粘膜病変が密接に関連していることが分かりました。
今後は、大動脈弁狭窄症に伴う消化管血管異形成の形成・消退メカニズムが解明され、治療の改善に繋がることが期待されます。
また、医療における検査、診断、治療において、臓器間の相関を考慮することが非常に重要になると考えられる。
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