教授挨拶

的場聖明2015年(平成27年)8月1日より循環器腎臓内科学講座の教授を拝命いたしました的場聖明です。平成2年に京都府立医科大学を卒業後、これまでに多くの急性心筋梗塞や重症心不全・重症虚血下肢などの循環器救急疾患や難治性疾患の診療や心筋エネルギー代謝やミトコンドリアに関する基礎研究に取り組んで参りました。
循環器内科では、狭心症や急性心筋梗塞などの冠動脈疾患に加え、心筋症や不整脈、末梢血管疾患など加齢で増加する疾患の診療を中心に、先天性心疾患である心房中隔欠損症に対するカテーテル治療や慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する肺動脈拡張術やカテーテルによる大動脈弁狭窄症治療(TAVI)、マイトラクリップ(Mitra Clip)等のカテーテルを駆使した心血管疾患診療もカテーテルを駆使した心血管疾患診療も関係各科と協力の上、積極的に実施しております。
心房細動に対するカテーテル治療もクライオバルーン等を使って、安全かつ短時間に実施しております。さらに重症虚血下肢に対する血管再生医療や心不全に対する運動療法、心臓外科と協力してのImpellaによる心不全治療などほぼ全ての心血管疾患に対応できる態勢を整えております。大学病院ならではの医療として、月曜日に再生医療外来・血管再生外来(矢西Dr,的場)、木曜日に肺高血圧外来(中西Dr)、成人先天性心疾患外来(中村Dr,中西Dr)、金曜日に心アミロイドーシス外来(山野Dr)とTAVI・マイトラクリップの専門外来を水曜日の午前(全Dr)を設置しております。TAVI外来では、TAVI適応決定に関する相談や当日一日で術前検査(心エコー、CT)をまとめて実施可能です。各担当医宛にご御連絡いただければ幸いです。また、2018年5月からは、注射薬(PCSK9阻害剤)による高コレステロール血症治療のための専門外来を開始しています。(月曜 的場) 治療開始の患者さん指導にご利用いただければ幸いです。

http://www.h.kpu-m.ac.jp/doc/for-medical-institutions/PCSK9.html

さらに、2018年4月からは、循環器内科医が、毎日当直し、24時間365日救急医療部、放射線科、心臓血管外科、集中治療部(ICU)と常に綿密な連絡体制をとって、急性心血管疾患に対する集学的治療にあたっており、最新の設備と充実したスタッフでいつでも対応できる態勢をとっています。2021年3月から京都府立医大メディカルセンター構想の一環として従来のC4病棟とD4病棟を合併させて、循環器センターCエリア、Dエリアとし、CCU4床を増設し心臓外科、循環器内科、医療スタッフが一丸となって診療にあたっています。夜間もCCU室内で循環器内科医師が待機しています。

腎臓内科では、腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎臓病、腎不全、電解質異常などの幅広い腎疾患を対象に、腎生検や血液透析導入、腹膜透析から移植一般外科との連携による腎移植までの診療を行っております。急性に発症する病気の場合には、迅速に入院・精密検査を行うよう努めるとともに、腎生検カンファレンスなどで十分な討議の上で診断と治療方針を決定しております。さらに慢性腎臓病では進行を遅らすべく、食事療法(食塩や蛋白質の制限)、体重過剰の是正や禁煙といった生活習慣の改善、降圧薬による治療につき、患者さんとご家族に十分理解していただけるよう教育目的の入院も行っております。

当科の特徴として、京都府を含む関西エリアを中心に、約940名の同窓の医師と医局が常に連携をとって地域の第一線の医療を担い、循環器・腎臓疾患の診療にあたっています。これからも関西・京都地区の中核機関として、地域の先生方との連携を大切にしてゆきたいと考えております。 研究面では、虚血性疾患、心臓弁膜症、不整脈、心不全、肺高血圧、腎障害、再生医療による心・血管の機能回復、老化の予防など、疾患を克服することを目標に世界をリードする研究を心がけています。常に多くの大学院生が、熱心に臨床研究、疫学研究、基礎研究を推進していることも特徴で、幅広く、奥深く学び、その成果を医療に応用したり、世界に向けて発信しています。大学院、他施設との共同研究、海外留学を含め、循環器腎臓内科の医局が一体となって取り組んでいます。

そして、新しい時代を切り拓くために ミッション・ステートメントとして2015年から
 

「医師としての使命と科学者としての夢の探求・実現」
Our mission is to pursue a passion for the medical arts and sciences.

を掲げています。

使命というものは、一人の個人で完成されるものでは無く、必ず「受け継がれるもの」です。各人がプロジェクトの一員としてしっかりと役割を果たし、チームとして継続的に遂行することで達成可能となります。そして、めまぐるしく変化する世界において、医学と医療の夢を探求し、医療人が一丸となってその夢を実現させていきたいと考えています。

私達の講座では、志の高いスタッフが多く、明るく活気にあふれています。循環器疾患、腎疾患に興味を持つ多くの医師・研究者の参加を期待しています。

循環器腎臓内科 教授 的場聖明

 

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