糸球体腎炎・腎生検

慢性糸球体腎炎・ネフローゼ症候群・腎生検

腎臓は、血液から老廃物をこし出し、尿を作る働きをしています。腎臓の中の糸球体という部分がその役割を担い、いわば“ざる”のような働きをしています。糸球体は、片方の腎臓だけで100万個あるとされています。その“ざる”、つまり糸球体に病気がおこると、本来なら漏れてこない血液やたんぱく質が、老廃物と一緒に尿中に漏れてきてしまいます。血尿やたんぱく尿がでてくるこの病気の種類は、頻度の高いものとして、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群があります。

慢性糸球体腎炎は、慢性的に糸球体に炎症が生じている状態で、血尿やたんぱく尿を認めますが、症状はとくにないことが多いです。ネフローゼ症候群は、大量のたんぱく質が尿中に漏れてしまう状態で、尿の泡立ちやむくみなどの症状をきたします。いずれも、長い経過の中で徐々に腎機能が低下していくことが多いとされています。
従ってこれらの病気は治療が必要ですが、その治療方法は原因によってさまざまです。
病気を診断することに加え、病気の程度や進行具合、今後の見通しを検討するために行うのが腎生検です。この結果を踏まえ、患者さんのご意向、状態などの情報を総合的に検討し、治療法を決定します。

腎生検は、うつ伏せの状態で行います。背中に超音波をあて、腎臓の位置を確認しながら局所麻酔注射を行い、腎臓に針を刺します。検査は1時間程度ですが、翌日まで丸一日ベッド上の安静が必要となります。腎臓は血液がたくさん流れている臓器なので、生検後は腎臓の周囲に少量の出血を認めるのが通常ですが、出血が多い場合は輸血や外科的治療が必要になる場合がありますので、それを予防するために安静が必要となります。入院期間は5泊6日で実施しています。

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